歯医者とパン屋
家の近くにパン屋をみつけた。
歯の痛みに耐えられず、重い腰をあげてようやく行った歯医者、・・の並びにあるパン屋だ。
新しくできたのかな?と思ったが、ネットで検索したところ、もう何年もそこにあったらしい。
ただ私が知らなかっただけで、ずっとそこにあったらしいお洒落で小さなパン屋さん。
なぜ今まで気づかなかったのだ!と悔しい気持ちになる。
この町に住んでもう4年近くになるが、私は本当に自分のうちの周りのことを知らない。
「ここのレストランが美味しい」だとか、「ここのお惣菜がおすすめ」だとか。
門限のある箱入り女学生じゃあるまいし、仕事帰りにプラプラして帰ればいいものを、家の近くで寄るところといったらスーパーかマツキヨの2択。
かといって、週末にひとりで家の周りを散策するタイプでもないので、本当にいろいろと知らないのだ。
しかも買ったパンが美味しかったもんだから、何年もその店を見落としていた悔しさもひとしおである。
ちょっと不愛想な店員さんが「おすすめ」と言っていたクロワッサン生地のパンは、サックサクでとても美味しかった。
直前に歯医者で、歯の痛みの原因は「虫歯じゃなくて歯周病ですね」と診断された悲しみも癒してくれる美味しさである。
ああ悲しい・・、でも美味しい。
なにはともあれ今日も幸せだ。